弁護人選任届の提出先
弁護人選任届の提出先は手続の進行によって変わる。
検察官送致前は「当該被疑事件を取り扱う検察官」がいないので司法警察員に提出するしかない。また、検察官送致後であっても司法警察員に提出することはできる(ふつうはやらない。)。
しかし、刑事訴訟法を知らない警察官(多数いる)は、検察官送致前であっても弁護人選任届の受領を拒否する*2。
「検察官に出せ」「裁判所に出せ」と不可能なことをいう。
階級や役職が上の警察官は、試験や経験から上記取り扱いを知っていることが多いので、「上司と話をさせてください」と要請するのがよい。
上司も不勉強な場合は、受領させるか、「本日、刑事訴訟規則17条を示されましたが、弁護人選任届の受領を拒否し、○○に提出するよう指示しました」という一筆を書かせる。
上記取り扱いの根拠規定は刑事訴訟規則17条及び18条
(被疑者の弁護人の選任)
第17条 公訴の提起前にした弁護人の選任は、弁護人と連署した書面を当該被疑事件を取り扱う検察官又は司法警察員に差し出した場合に限り、第一審においてもその効力を有する。
(被告人の弁護人の選任の方式)
第18条 公訴の提起後における弁護人の選任は、弁護人と連署した書面を差し出してこれをしなければならない。
被疑者段階の弁護人選任届については形式不問。
ただし、勾留理由開示など裁判所に対して訴訟行為をする場合には連署した弁護人選任届が必要。
(公務員以外の者の書類)
第六十条 官吏その他の公務員以外の者が作るべき書類には、年月日を記載して署名押印しなければならない。
罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由の内実
「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当
の 理由があるとき」と規定されているのをみると、それは罪証隠減の単なる抽象的な可能性では足りず、罪証を隠滅することが、何らかの具体的な事実によつて蓋然的に推測されうる場合でなければならないことが明かである。
「被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由」(刑訴法89条4号)とは、刑訴法60条1項2号のそれと同義である(『逐条実務刑事訴訟法』172頁)。
その程度は「単なる抽象的な危険性ではたりず、確実性までは要求されないが、具体的な資料によって裏付けられた高度の可能性のあることを要」する「予測的蓋然性判断であり、各要因について具体的に検討」(『条解刑事訴訟法(第4版増補版)』150頁)しなければならない。
つまり、具体的な事実に基づいて考えて、罪証隠滅が行われる高度の可能性がない限り、保釈は認められるべきことになる。
はずであるが、実務がそうなっているとはどうしても思えない。
常習性があると権利保釈がされない根拠
常習として長期3年以上の懲役に当たる罪を犯したとき(刑訴法89条3号)には権利保釈が許可されない。
しかし、常習性が権利保釈の除外事由とされている趣旨は判然としない。
勾留の更新回数について制限を設けないとした刑訴法60条2項ただし書きとの関係で、常習性について言及された例であるが、常習性が除外事由とされたことについては「一見理解しがたい」、「現行法立法当時の資料に拠れば、再犯防止の考慮が働いたものと認められる」といわれる(松尾浩也『刑事訴訟法 上(補正第三版)』192頁)。
同号が再犯防止も目的に取り込んで判断されていることを示唆する政府委員又は政府参考人の発言がある。
【昭和28年7月20日の第16回国会参議院法務委員会第17号】
もう一つは、全く逆の観点からの問題なんですが、権利保釈でカバーできない罪でですね、而も非常に重ねて害毒を流すといいますか、そういう事例がございますね。例えば宇都宮の何とか御殿事件といいますか、狸御殿ですか、これは権利保釈中に次々に又罪を犯して行く。こういう場合はこれはもう権利保釈の除外事由に該当しないのだから、保釈請求さえすれば幾らでもできる。保釈が許されている間にこういうことになるのでしようか。それは何か制限の途がないのでしようか。
それは大変困つた問題でございまして、確かに刑事訴訟法の一つの穴でございます。と申しますのは、この保釈制度が、まあ逃亡とか、或いは証拠隠滅の虞れという点を中心にして考えておりまして、当該事件についての判断にあるわけでございます。従つてそれに対してその後これを更に重ねてやるということについて、一から十まで押えるということは実は困難なのでございます。そこでこの権利保釈除外事由というのは八十九条で掲げましたのは、いわゆる理論的には必ずしも一貫していないと私も思います。と申しますのは、一方では重い罪については権利保釈をしない、一方では証拠隠滅とか住居氏名のはつきりしないとか、逃亡の虞れのあるというような場合を掲げておく、これは必ずしも理論的に首尾全く一貫したとは申上げかねるわけなのでございます。但しその全体を通じて只今お話のような二度目の犯罪を犯しては困るというような考え方も若干出ておるわけでございまして、ただそれを重い犯罪も軽い犯罪も一様に考え得るかと申しますると、これは必ずしもそうは行かない。保釈には保釈してやらなければならないだけの限度というものがやはりあるのではないか。そこを今回は短期一年というので区別したわけでございまして、詐欺は御承知の通り長期十年でございます、短期はございませんので、従つてとれにはいずれにせよ入つて来ないのであります。この御指摘のような場合については、狸御殿のような犯罪については、ちよつと今のところ防ぎようがない。但し恐らくああいう事件について考えるのは証拠隠滅の虞れというのが非常に多いのではないか。あの種の智能犯の事件であれば、そして何とか逃れようというので、片つ方では半ば逃走しつつ、いろいろな次々と事をやつておるのであるから、証拠隠滅の虞れ、或いは場合によつては現行法の八十九条の常習として罪を犯すという条文がございますが、常習として認定し得る限度においてはこの八十九条第三号の「常習として長期三年以上の懲役又は禁錮にあたる罪を犯してものであるとき。」という認定ができ得れば、それでもまあ今のようなのを防ぎ得るということにもなろうかと思います。これは認定問題でございますので、なかなか実際問題としては困難な場合もあろうかと思いますが大体そんな建前でございます。
【令和元年5月30日第198回国会参議院法務委員会第16号】
国民民主党・新緑風会の櫻井充です。
前回に引き続いて、いわゆる人質司法の問題について質問させていただきたいと、そう思います。
その前に、一昨日、川崎で本当に許し難い事件が起こりました。お亡くなりになられた皆さん、それから御遺族の方々に衷心より哀悼の誠をささげたいと思いますし、犠牲になられた皆さん、一日も早く回復できるように心からお祈り申し上げたいと、そう思います。
罪を犯した方は、加害者の方は自殺されましたので、勾留されることはありませんでした。こういう方々がもしあそこで逮捕されていて、そして勾留されていたと、仮に長期間勾留されていた場合に、国民の皆さんはこのことについて批判するかというと、恐らく批判される方は誰もいらっしゃらないんだろうと、そう思います。むしろ、証拠隠滅のおそれがないからといって釈放するようなことがあったとしたら、何でこんな危ない人を釈放するんだと、むしろそちらの方で抗議されることになるんだろうと、そう思うんです。
そうすると、長期間勾留するという意味合いは、証拠隠滅のおそれがあるという観点もあるかもしれませんが、一方で、社会の秩序を維持していくためという観点から正当化されるところがあるんではないのかと、そういうふうに思っていますが、その点について大臣はどうお考えでしょうか。
現行の刑事訴訟法におきましては、一般に、勾留の目的は逃亡及び罪証隠滅の防止にあると解されているところでございます。
御指摘のように、治安の維持や公共の安全それ自体を理由として勾留するような制度を導入することにつきましては、将来の犯罪を予防するためとして身体拘束が過剰になされることにならないかなどの指摘もあり得るところでありまして、慎重な検討を要するものと考えております。
ただ、もっとも現行法においても、裁判所は保釈請求があったときには原則として保釈を許可しなければならないと、これ権利保釈と呼んでおりますが、この権利保釈の除外事由として、例えば事案の重大性に関する事由であるとか、常習性等に関する事由であるとか、被害者等の安全に関する事由などが掲げられているところでございまして、御指摘のような観点も、そういったこの権利保釈の除外事由ということで、指摘されている事案の重大性や常習性に関わる事情として一定程度考慮され得るものと考えております。
法律の判断については今大臣が御答弁されたとおりだと思っているんです。ただ、そこの中に意味合いとしてこういう点もあるんじゃないのかということを申し上げています。
つまり、そのことを行うことによる社会的な価値といったらいいんでしょうか、それが何らかの、私はそれがあると思っていて、それがあると思っていて、それは、繰り返しになりますが、社会の治安維持のためだというふうに私は理解しています、もあるんじゃないかと思っているわけです。
繰り返しになりますが、村木さんのような方を仮に釈放したときに社会的に何か問題が起こるのかと、治安維持について問題があるのかというと、問題がないことだけは、これは御答弁いただかなくて結構ですが、認めていただけるんだと、そう思います。この場合には、罪状を認めていただけないので、証拠隠滅のおそれということで結果的には長期間勾留されることになりました。これはこれで一つの考え方です。
ただ、前回申し上げたとおり、こういうやり方をしていることによって日本のいわゆる人質司法だと海外から批判され、一部報道によると、海外の投資家の方々が二の足を踏むんではないのかという危険性をはらんでいるということになってくると、どういう人たちと区別をしていけばいいのかという議論をする必要性はあるんじゃないのかなと。
つまり、繰り返しになりますが、全般的なことを一くくりにして考えることではなくて、ある種差別化して、どこがどういうふうに違っているのか、社会としてどういうものが必要なのかという観点から考えていくような、これまでそういう議論をされていなかったことは重々承知しています。ですが、そういう観点で見ていくことも、これはなかなか大臣御答弁いただけないなら事務方でも結構ですが、そういう観点で考えていく必要性もあるんではないのかと思いますが、この点についていかがですか。
現行の刑事訴訟法において、勾留の目的、逃亡及び罪証隠滅の防止にあると解されているところでございます。
先ほど申し上げた治安の維持や公共の安全、それ自体を理由として勾留するような制度ではないということでありますが、先ほど申し上げた権利保釈の除外事由として、一定程度そういったその事案の重大性、常習性、被害者等の安全に関する事由ということで判断されているというところでございます。
大臣の御答弁、ちょっと重ねての部分も、ちょっと御説明させていただきたいと思いますけれども、現行の刑事訴訟法八十九条には、その事件自体で、被告人が死刑又は無期若しくは短期一年以上の懲役等に当たる罪を犯したものであるとき、それから、その重い前科があるときですね、前に死刑又は無期若しくは長期十年を超える懲役等に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき、あるいは、被告人が常習として長期三年以上の懲役又は禁錮に当たる罪を犯したものであるときにつきまして、権利保釈の除外事由としてございます。これ委員もう御存じかもしれませんけれども。
ですから、実際上、大臣も御答弁申し上げましたが、一定のそういう危険性があるといいますか、事案の重大性、常習性に係る事情として、そういう御指摘のような再犯のおそれ的なところもある程度は考慮され得る制度でございます。
しかし、いずれの答弁も、結果として再犯を防止できる可能性があると述べるものであって、再犯防止という目的を正面から肯定したものではない。
「勾留の目的は、逃亡および罪証隠滅の防止にある」(『条解刑事訴訟法(第4版増補版)』144頁)のであって、再犯防止が目的ではない。この点について異論は一切ない。
常習性を広く認めることは法の趣旨に反する。常習性については狭く認定することが法の趣旨に適う。
国司の位階
国名 | 官位相当(役職に対応する位階) | ||||
---|---|---|---|---|---|
守(かみ) | 介(すけ) | 掾(じょう) | 目(さかん) | ||
大国 |
大和 河内 伊勢 武蔵 上総 下総 近江 上野 越前 播磨 肥後 |
従五位上 | 正六位下 |
従七位上(小掾) |
従八位上(大目) 従八位下(少目) |
上国 |
山城 摂津 甲斐 相模 美濃 下野 出羽 加賀 越後 但馬 出雲 美作 備中 備後 安芸 周防 阿波 讃岐 伊予 豊後 |
従五位下 | 従六位上 | 従七位上 | 従八位下 |
中国 |
若狭 丹後 石見 土佐 日向 薩摩 |
正六位下 | 正六位下 | 正八位上 | 大初位下 |
下国 |
和泉 伊賀 志摩 伊豆 飛騨 淡路 |
従六位下 | 従八位下 | 少初位上 |
大国以外の掾には大小の区別はない。
下国には掾が置かれないのが本来である。
下国には介は置かれない。
中国には介が置かれないのが本来である。
ただし、受領(ずりょう)の場合、介であっても「守」と呼ばれる場合がある*1。「受領」とは、<q>前任の人より引き継ぎをうけおさめて吏務をとる</q>という意味である*2。
出羽守は従五位下である。
否認・黙秘を過度に評価すべきでないとした衆議院・参議院各法務委員会の附帯決議
平成28年の刑事訴訟法改正*1の成立に際しては、衆議院及び参議院の各法務委員会が附帯決議をした。
衆議院法務委員会の附帯決議(平成27年8月5日)
政府及び最高裁判所は、本法が度重なるえん罪事件への反省を踏まえて重ねられた議論に基づくものであることに鑑み、その施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。
一 検察官及び検察事務官並びに司法警察職員は、取調べ等の録音・録画に係る記録媒体が供述が任意になされたものかどうか判断するための最も重要な証拠となり得ること及び取調べ等の録音・録画が取調べの適正な実施に資することに鑑み、刑事訴訟法第301条の2第4項の規定により被疑者の供述及びその状況を記録しておかなければならない場合以外の場合(被疑者以外の者の取調べに係る場合を含む。)であっても、取調べ等の録音・録画を、人的・物的負担、関係者のプライバシー等にも留意しつつ、できる限り行うように努めること。
二 保釈に係る判断に当たっては、被告人が公訴事実を認める旨の供述等をしないこと又は黙秘していることのほか、検察官請求証拠について刑事訴訟法第326条の同意をしないことについて、これらを過度に評価して、不当に不利益な扱いをすることとならないよう留意するなど、本法の趣旨に沿った運用がなされるよう周知に努めること。
三 再審が無辜この救済のための制度であることを踏まえ、証拠開示の運用、刑事訴訟法第445条の事実の取調べの在り方をめぐる今国会の審議の状況の周知に努めること。
四 通信事業者等の立会いがないため同時進行的な外形的チェック機能が働かないことを踏まえ、特定電子計算機を用いる傍受の実施において、該当性判断のための傍受又は再生を行うに当たっては、通信の秘密及びプライバシーの保護に十分に留意して、厳正に実施すること。
五 適正に通信傍受が実施されていることについての説明責任を果たすため、客観的に通信傍受の実施状況を検証するための方法について検討すること。
六 捜査に必要な機器等の費用は捜査機関が負担することが基本であることに鑑み、通信傍受に必要な機器等の整備に係る通信事業者の負担軽減に十分な配慮を行うこと。
七 証拠収集等への協力及び訴追に関する合意制度の実施に関し、検察官は、合意をするため必要な協議に際しては、自由な意見交換などの協議の機能を阻害しないとの観点をも踏まえつつ、日時、場所、協議の相手方及び協議の概要に係る記録を作成するとともに、当該合意に係る他人の刑事事件及び当該合意の当事者である被告人の事件の公判が終わるまでの間は、作成した記録を保管すること。
参議院法務委員会の附帯決議
○附帯決議(平成28年5月19日)
政府及び最高裁判所は、本法が度重なるえん罪事件への反省を踏まえて重ねられた議論に基づくものであることに鑑み、その施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。一 検察官及び検察事務官並びに司法警察職員は、取調べ等の録音・録画に係る記録媒体が供述が任意になされたものかどうか判断するための最も重要な証拠となり得ること及び取調べ等の録音・録画が取調べの適正な実施に資することに鑑み、刑事訴訟法第301条の2第4項の規定により被疑者の供述及びその状況を記録しておかなければならない場合以外の場合(別件逮捕による起訴後における取調べ等逮捕又は勾留されている被疑者以外の者の取調べに係る場合を含む。)であっても、取調べ等の録音・録画を、人的・物的負担、関係者のプライバシー等にも留意しつつ、できる限り行うように努めること。
二 保釈に係る判断に当たっては、被告人が公訴事実を認める旨の供述等をしないこと又は黙秘していることのほか、検察官請求証拠について刑事訴訟法第326六条の同意をしないことについて、これらを過度に評価して、不当に不利益な扱いをすることとならないよう留意するなど、本法の趣旨に沿った運用がなされるよう周知に努めること。
三 再審が無辜この救済のための制度であることを踏まえ、証拠開示の運用、刑事訴訟法第四415条の事実の取調べの在り方をめぐる国会の審議の状況の周知に努めること。
四 特定電子計算機を用いる傍受の実施においては通信事業者等の立会いがなくなることから、同時進行的な外形的チェック機能を働かせるため、通信傍受の対象となっている犯罪の捜査に従事していない検察官又は司法警察員を立ち会わせること。また、該当性判断のための傍受又は再生を行うに当たっては、特に通信の秘密及びプライバシーの保護に十分に留意して、厳正に実施すること。
五 適正に通信傍受が実施されていることについての説明責任を果たすため、客観的に通信傍受の実施状況を検証するための方法について検討すること。
六 捜査に必要な機器等の費用は捜査機関が負担することが基本であることに鑑み、通信傍受に必要な機器等の整備に係る通信事業者の負担軽減に十分な配慮を行うこと。
七 証拠収集等への協力及び訴追に関する合意制度の実施に関し、検察官は、合意をするため必要な協議に際しては、自由な意見交換などの協議の機能を阻害しないとの観点をも踏まえつつ、日時、場所、協議の相手方及び協議の概要に係る記録を作成するとともに、当該合意に係る他人の刑事事件及び当該合意の当事者である被告人の事件の公判が終わるまでの間は、作成した記録を保管すること。
右決議する。
決議本文はこちらのPDFを参照
https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/190/pdf/k031890421900.pdf
最大版図を築いて転落した戦国大名
武田勝頼
長篠の戦いの前年である天正2年(1574年),明知城(美濃東部),高天神城(遠江)を落とし,浜松城にも迫る。
天正10年(1582年),天目山の戦いにおいて自害。
北条氏政
天正5年(1577年),里見義弘と和睦*1して下総と上総北部を得る。
天正10年(1582年),織田氏の滝川一益を追った後,徳川と争い*2,和睦して上野を得る*3。
天正13年(1585年),佐竹・宇都宮を下して下野南部,常陸南部を勢力下におく。
なお,氏政は,天正8年に形式上は隠居して氏直に家督を譲っている。
同年,切腹。
長宗我部元親
竜造寺隆信
肥前を平定し,大友氏を圧迫して筑前・筑後と豊前の一部を勢力下に収める。
肥後北部を勢力下に収めた後の沖田畷の戦いで戦死。
島津義久
天正12年(1584年),沖田畷の戦いを経て竜造寺氏を下し,筑前・筑後・肥前・肥後北部・豊前を支配。
豊後の大友氏を残すのみとなっていたが、豊臣秀吉による九州征伐によって大部分を失う。
戦後、薩摩・大隅・日向の一部を安堵される。
織田信長
大乗仏教においても普遍的とされているもの
大乗仏教では「空」と「縁起」が真理として説かれる。
「空」と「縁起」は、同じことの視点を変えた言い換え
である*1。
縁起によって存在しているものは、そのものを存在させている直接、間接の原因や条件が変化したり依存関係のあるものが変化したり無くなれば、その存在自体も変化し消滅していきます。こういった存在状態にあることを一言で空と表現します。また無我ともいいます。
それでは、「空」や「縁起」もまた「空」なのか。
「空」や「縁起」、「四諦」といった道理は「無為法」であり、不生不滅であって、条件変化や依存関係にあるものの変化によって影響を受けない*2。
ところが原始仏教では真理軌範としての法が説かれている。縁起や四諦の道理などがそれである。縁起の道理は仏の出世不出世にかかわらず、法として決定し、法界法住の永遠不滅の真理であるとされる。
仏はこれを作り出したものではなく、 これを発見して世の人々に説くのであるとされる。この意味の真理は不生不滅の永遠の存在であるから無為ということができるである。
ただし、水野は、以下のようにも言い、『仏教においても真理は普遍のものとして存在している』と安易には言えないことを示唆している*3。
しかし原始仏教では、この真理を存在としては説かなかった。存在とは具体性をもったものであり、後世の用語では事とか相としての存在を存在として説き、理とか性とかいうものは存在としなかったようである。哲学的用語でいえば内容ある具体的なものを存在とし、無内容な形式そのものは存在としなかったと思われる。
なお、「空」は有でもなく無でもない*4。
故に空自身は有でもなく無でもなく、非有非無の中道と同義であり、ニルヴァーナに至る道であるにもかかわらず、空見とはその空を有または無のいずれかに解することである。