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仏教,歴史,哲学,法律についての備忘録。

2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧

専門家集団への信頼・法の支配の確立

マクニールは,ウェストファリア条約の締結(1648年)によって宗教革命による騒乱が終息していった後,ヨーロッパの指導者によって専門家集団が重用されるようになったと考える。訓練された専門家は,真理の全面的把握にこだわることなく,激情に駆られ…

仏教とアドラー心理学の共通点及び差異

今を生きる,ということについて。 アドラーは目的論。 仏教は因果応報。しかし決定論ではない。 仏教は,現在は過去(世)の業に依るとする。ただし,いまこの瞬間に善を行った「果」によって次の瞬間に生が好転することは当然あり得る。 前向きに今この瞬…

自由の定義

自由は自分勝手ではない。 好きなことができること,でもない。 介入されないこと,である。 社会道徳における「自由」とは,(中略)<自分のしたいことができる>という意味ではなくて,<規範的に許されていることへの介入がない>ということである。*1 …

「霧の中を行けば覚えざるに衣しめる。」とは,一流の人と時間を共有すること。

道元の言葉を記したとされる『正法眼蔵随聞記』の五には,以下のような話がある(水野弥穂子訳『正法眼蔵随聞記』(ちくま学芸文庫)282頁)。 故人伝ク,「霧の中を行けば覚えざるに衣しめる。」ト。よき人に近ヅけば,覚エざるによき人となるなり。 道…

起訴後も自動的に勾留が続く根拠

公訴が提起された後,公判への出頭確保及び(又は)罪証隠滅防止を目的として被告人が勾留される場合がある。これを起訴後勾留又は被告人勾留という。 勾留された状態のまま被疑者が起訴された場合,起訴後も自動的に勾留される。 自動的に起訴後勾留へ移行…