イギリス議会制度の成功要因
イギリスの議会制度は,名誉革命(1688年)によって変化し,2つの特徴によって成功したとマクニールは考える(マクニール『世界史(下)』133頁以下)。
第1に,議院内閣制。
議員は自由で実際的な党派・政党を形成した。
議会は議会に代表を送り込むことができる人々の利害の変化を絶えず反映した。
内閣はこうした議会のシステムを基礎にしていた。
この政治システムは社会の変化に対応する力に優れていた。
第2に,国債。
議会が弁済義務を負う。従前の政府の借入は国王の借入だった。
イギリス議会はイギリス銀行を設立(1694年)。
イギリス銀行は議会に貸付を行う。この貸付は税金によって返済されることが担保されていた。
議会は戦費を長年に亘って繰り延べることができるようになった。
支払の保証が増大すると利子は低下し,借入が容易になった。
外国人からも借り入れすることができた。
7年戦争におけるイギリスの勝利は国債に拠るところが大きかった。