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仏教,歴史,哲学,法律についての備忘録。

法律

罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由の内実

「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当の(ママ) 理由があるとき」と規定されているのをみると、それは罪証隠減の単なる抽象的な可能性では足りず、罪証を隠滅することが、何らかの具体的な事実によつて蓋然的に推測されうる場合でなければならないことが明か…

常習性があると権利保釈がされない根拠

常習として長期3年以上の懲役に当たる罪を犯したとき(刑訴法89条3号)には権利保釈が許可されない。 しかし、常習性が権利保釈の除外事由とされている趣旨は判然としない。 勾留の更新回数について制限を設けないとした刑訴法60条2項ただし書きとの…

否認・黙秘を過度に評価すべきでないとした衆議院・参議院各法務委員会の附帯決議

平成28年の刑事訴訟法改正*1の成立に際しては、衆議院及び参議院の各法務委員会が附帯決議をした。 衆議院法務委員会の附帯決議(平成27年8月5日) 政府及び最高裁判所は、本法が度重なるえん罪事件への反省を踏まえて重ねられた議論に基づくものであ…

黙秘権の根拠(なぜ黙秘が許されるのか)

黙秘権の理論的根拠 黙秘権の歴史的根拠 「正直に話をするのが人として当然だ」と言えるか? 「潔白なら説明すべきだし、できるはずだ」と言えるか? 「無実なら自白するはずがない」と言えるか? ※黙秘権の形式的根拠(根拠条文)については「日本における…

DVは児童虐待

家庭における配偶者に対する暴力は児童虐待に該当します。 児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力は「児童虐待」と定義されています(児童虐待の防止等に関する法律2条4号)。 児童虐待防止法2条本文 第二条 この法律において、「児童虐待」とは…

日本における自己負罪拒否特権と黙秘権の根拠規定

自己負罪特権の内容と根拠規定 黙秘権の内容と根拠規定 黙秘権とは何か。 【被疑者】の黙秘権の根拠規定(【捜査】での黙秘) 【被告人】の黙秘権の根拠規定(【裁判】での黙秘) 自己負罪拒否特権と黙秘権との違い 様々な『自己負罪拒否特権』 刑事訴訟法だ…

テロ等準備罪・共謀罪

組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律 (テロリズム集団その他の組織的犯罪集団による実行準備行為を伴う重大犯罪遂行の計画) 第6条の2 次の各号に掲げる罪に当たる行為で,テロリズム集団その他の組織的犯罪集団(団体のうち,その結合関…

起訴後も自動的に勾留が続く根拠

公訴が提起された後,公判への出頭確保及び(又は)罪証隠滅防止を目的として被告人が勾留される場合がある。これを起訴後勾留又は被告人勾留という。 勾留された状態のまま被疑者が起訴された場合,起訴後も自動的に勾留される。 自動的に起訴後勾留へ移行…